碾茶(てんちゃ)工場の仕事

 お茶刈りが始まってから工場の仕事をするようになったので、工場の仕事についてまとめてみます。
 基本労働時間は私が働いている工場の場合、昼と夜の二交代制で、昼が7:00~19:00、夜が19:00~7:00です。私は昼工場を担当しています。
 仕事内容については、オペレーターが一人、仕上げが二人体制で、私は仕上げ担当です。
 勤務開始の20分前くらいまでには出勤し、着替え等準備をします。そして、夜勤の人から引き継ぎを受け、勤務開始となります。
 一人は仕上げ室で仕上げの仕事、もう一人は蒸し器の洗浄と炉まわりの掃き掃除の仕事から一日が始まります。
 ここからは、工場の入り口から順に説明します。
 畑から刈ってきた茶の葉(「芽」と呼ぶ)は、コンテナへと搬入されます。
 下の写真は、コンテナの中です。芽を積んだトラックをコンテナに横付けし、一旦、左側に見えるコンベアに移し、それを少しずつ上から降らせてコンテナに入れます。そうすることにより、芽に空気を触れさせて、酸化(発酵)することを防ぎます。
 このコンテナの中に入り、上から降ってくる芽を、手や熊手のような道具を使い、改めて空気に触れさせるようにしながら積んでいく作業(通称「かきあげ」)が、工場で仕上げに入っている人の仕事のひとつです。埃や虫を浴びるため、カッパを着てやるのですが、蒸れて暑くたいへんな作業です。
 コンテナに積まれた芽は、蒸し機へと送られ、蒸されます。
 蒸し機の洗浄は朝一番の仕事となります。
 蒸された芽は、風で上に吹き上げられ、冷却されます。
 冷却された後は、炉へと送られ、乾燥されます。
 製造ラインが二つあります。
 炉の設定温度は、200度前後になっています。
 炉のレンガの近くは、80度を超えています。この温度の炉まわりの掃除を朝と晩にするのですが、サウナ状態なので、汗が吹き出てきてなかなかたいへんな作業です。
 上の写真は、炉の端を映したものです。芽は炉の中を行ったり来たりして、ある程度乾燥したら仕上げ室へと送られます。
 これが、仕上げ室側から見た炉です。
 蒸しから炉までは、オペレーターが管理する仕事なので、私は手出ししたことはありません。
 仕上げ室の全体は、このような感じです。
 仕上げ室に送られた芽は、まず、つる切機というこの機械で、葉の部分と茎の部分(「骨」とよぶ)とに分けられます。
 分けられた葉と骨は、こちらの風力選別機で、それぞれ乾燥機に送られます。
 こちらが葉の乾燥機です。
 こちらが、最終的に出荷される状態の葉です。
 こちらが骨です。
 葉は15kg、骨は10kgを一袋にまとめて梱包します。葉も骨も木の棒や金属バットでついて圧縮するのですが、一番茶の終わりの方の、固くなった葉は、この圧縮作業に時間がかかり、苦労しました。
 圧縮後は、袋が紙、ビニール、紙の順番になっているので、写真のように、掃除機で空気を抜いて梱包します。
 最終的には、このような状態で出荷されます。
 12時間勤務終了後は、夜勤の人に仕事を引き継いで終わりです。

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新世代型百姓のひとりごと

農家の跡取りでありながら、他の仕事をしたり、旅をしたり、文化的なことが好きで日本茶インストラクターになったりと、いろいろなことをしている「新世代型百姓」の体験や考えなどのひとりごとです。